日本製の有機ELパネルができるかどうかはJOLED(ジェイオーレッド)にかかっている。あまり聞かない会社なのですが日本のテレビやスマホのパネル生産の未来を担っている会社です。
1.JOLEDという会社
あまり聞かない会社ですが、裏には産業革新機構、JDI、パナソニック、ソニーという役者がいます。言い方は悪いですが要するに負け組連合で出来た会社ですね。日本の有機EL開発の中心となる会社であることは間違いないでしょう。またJOLEDの会社情報によれば
株式会社JOLEDは、有機ELディスプレイパネルの量産開発加速及び早期事業化を目的としてソニー株式会社、パナソニック株式会社が有する有機ELディスプレイパネルの開発部門を統合し、2015年1月5日に発足致しました。
引用:JOLED会社情報
という会社です。過去に有機ELの開発を行っていたソニーとパナソニックの部門を統合してできた会社です。そのため有機ELの開発の総本山といっても過言ではないのではないでしょうか。
2.JOLEDはJDIの傘下となる
2017年には批判はあったようですがJDIの傘下となっています。日本の小型液晶と有機ELの製造を行う事ができるメーカーをまとめた形ですね。iPhoneの有機ELの移行の話などありJDIが本当に正念場な感じなのでまとめられたと批判を受けていますね。頑張ってもらいたいところです。
その有機ELの製造がどうなっているかというと、2019年にスマホ用のパネルの量産のを目指しています。JOLRDはRGB印刷方式というサムスンやLGとは異なる製造方法によるスマホ用の有機ELパネルの技術開発を行っています。
2019年って割りとすぐですが親会社のJDIが有機ELのパネルを作れないため量産化に至らなかったらたいへんやばいです。親子で非常に厳しい局面になってしまいます。スマホの発達は驚くべきほど早いので2年後はいったいどうなっているのかわからないのが怖いですね。
3.JOLEDが狙う市場
JOLEDが発足時に主要なターゲットとして示しているのが
・タブレット
・モバイルPC
・サイネージ
となっています。上記のようにJDIの参加となったためスマホがとりあえずメインの市場と考えて間違いないでそう。そのためテレビ用のパネルに関してはしばらくはLGの独壇場であると考えられます。
2017年現在では世界初の印刷方式による21.6型の4Kパネルを医療用モニターを月産2000個程度の製造をするに留まっています。これもサムスンやLGと被らないサイズのパネルのため競合する分野への参入はまだ先ということでしょう。
JOLEDのターゲット市場から考えるとテレビなどのパネルを作るとは今のところ考えられないため、TVを有機ELのものを欲しい場合には必然的にLGのパネルを使ったものになりますね。
4.LEDのパネルの製造方法には特色がある
同じLEDでも技術的違いがありそれが各メーカーの特色となっている。
サムスン | FMM-RGB蒸着法 |
LG | 白色EL蒸着法 |
JOLED | RGB印刷方式 |
サムスンとLGは蒸着法という仕組みで先行しています。サムスンは小型に強く、LGは大型に強いです。その特徴は製造方法が異なるためです。一方でJOLEDは印刷方式になります。印刷方式は大きさに限らず作りやすい方式らしいので大型パネルの製造もされるとは思います。
5.ついに印刷方式による有機ELの出荷を開始する
JOLEDのプレスリリースに「JOLEDが世界初、印刷方式有機ELパネルを製品化 12月5日より出荷開始」との発表がありましたね。ついに出荷開始です。
世界初となるRGB印刷方式による有機ELの出荷を2017年12月5日より開始しました。現状は21.6型4Kパネルのみとなっていますがこれから技術開発がすすめば様々な製品に応用されるかもしれませんね。
そしてJOLEDの技術をJDIに活かしていかないとJDIが厳しい局面になりつつある気がします。JDIにもなんらかの有機ELに関する技術革新があって欲しいところですね。
出荷が開始されたとは言えまだまだサムスンとLGの背中は遠いですね。
参考サイト
・JOLED
・産業革新機構 投資先情報