脱ステして10年以上たった。結局ステロイドを使ってる、脱ステは解決しない

 脱ステロイドをした人ってその後はどうなっているんですかね?そう思ってる人いると思うので私が脱ステをして成功したのちにどうなったのかを書いていきます。成功した人もいるかもしれませんがそうではない人も当然います。

1.受験を控えていた18歳の時に脱ステロイドをする。

 私の場合はアトピーが悪化して何もかも嫌になったときに突発的に脱ステロイドをしました。もう10年以上前の話です。夜も寝れなくなるほどの猛烈なかゆみに襲われたことをまだ良く覚えています。

 そして受験勉強もできなくなるほどの苦痛を味わいながら1年以上の期間をかけて脱ステロイドは成功を収めました。一切ステロイドを塗らなくていいくらい改善。とはいえ18歳の時なのでもしかしたらある程度自然に治った可能性もありますがそこら辺は謎です。。

 脱ステの効果かストレスがなくなったことによる効果かは不明ですが、完全にステロイドを断ちきれいな肌を取り戻すことには成功しました。アトピーがあったのがウソのような改善をしました。

2.もう治ったと思ったアトピーは影を潜めていただけ

①再びアトピーが悪化する

 20歳くらいから完全に保湿のみでステロイドなんて必要ないくらいアトピーは落ち着いていました。その頃はもう完全に治ったものと思っていましたがそうではなかったです。

 26歳くらいの時に再びアトピーを発症し重症化しました。その時期はちょうど仕事の内容が変わってストレスがあり忙しかった時期でした。なんかおかしいなと思ったら数か月で一気に悪化して全身アトピーの症状がでました。

 この時も夜に寝られなくなるくらい悪化しました。感覚的には脱ステロイドをした時と同じくらいの悪化具合だと思います。私のアトピーが最大まで悪化した時の症状というところでしょうか。再びの地獄です。

②脱ステしてよくなっても終わりじゃなかった

 脱ステロイドするのってアトピーが治っているのにステロイドが原因で皮膚が荒れるって考えるじゃないですか?この時はそもそもステロイドを使っていなかったのでステロイドが原因ということは絶対にありえないので普通にアトピーが再燃で間違いありません。

 私のアトピーが再度悪化したように脱ステロイドに成功したからと言って終わりではありません。結局状態が安定していた小康状態もアトピーの経過の中の1つでしかなかったわけです。

 アトピーが悪化したときの写真があったので載せておきます。恐らく膝の裏の写真と背中です。このときは若干改善してきた頃なのでピークはもっと悪かったです。ちなみに脱ステして悪化した後の皮膚の状態はこれより悪かったですね。そりゃ夜に寝れるわけがない。


かゆみのピークじゃないときは当然膝の裏は激痛でしたね。痒いときは痛くないんですがw

3.人生は長いのでアトピーとは付き合っていくと考えなおす

①アトピーを生活に合わせるのではなく生活をアトピーに合わせる

 アトピーを持っている人もそうでない人もいつ悪化や発症してもおかしくないのがアトピーなんだと思います。そのため今回はアトピーが悪化した原因を探ることにして悪化させないことを目指すことにしました。

 原因は仕事のストレスと職場のほこりなどのアレルギーによるものが大きいと感じたのでスパッと仕事を辞めて療養することにしました。とはいえアトピーがつらくて仕事なんてしている場合じゃなかったというのもあります。

②かゆくて仕方ないのでやっぱりステロイドを使うことにした

 今度は脱ステロイドとは真逆の作戦でステロイドで思いっきりアトピーを抑えてみることにしました。放っておいてもアトピーがいきなりよくなるわけもなく、かゆくて辛いのでステロイドを使うことにしました。

 ステロイドってやっぱ凄いです。ステロイドの力で劇的にアトピーは改善します。とは言っても止めると元に戻りますが(笑)しかし1年くらい仕事を辞めてストレスフリーな生活をしていたら自然とアトピーは改善していき徐々にステロイドの量を減らすことができました。

 2年くらいでほぼ症状は落ち着いて安定した状態になりました。とは言っても今でもステロイドは使っているので完全に使わなくなったわけではありません。しかし症状をコントロールしつつ使う頻度を大幅に減らすことはできました。

 今は普通に日常生活を送れる程度の症状しか出ていません。ステロイドとともにアトピーと付き合っていく覚悟をしました。治らないことはもはや受け入れざるを得ませんでした。

 普通に生活を遅れる程度の症状に抑えるだけならステロイドはなんやかんやで有用な薬です。ステロイドをやめて日常生活を送れなくなったら本末転倒です。

4.脱ステロイドをしたけど結局ステロイドに頼ることにした私がやったこと

・アトピーの悪化の原因にはストレスがあるので治療中はしっかりと休む
・保湿をしっかりする(化粧水と乳液にヒルドイド)
・1度ステロイドを塗って症状が落ち着いてから何日間塗らないで小康状態を保てるかを記録する(記録は3年くらいやりました)。

 漫然とステロイドを塗らないで悪くなる前にステロイドを塗って悪化を防ぐ感じを保てるように工夫しました。医者は薬は出してくれますがあまり治療方法の指導はしません。自分が考えて治療法を模索しましょう。ちなみにこの方法はリアクティブ療法というそうですが自ら編み出しましたw

 アトピーの治療方法にはプロアクティブ療法とリアクティブ療法というものがあります。アトピーの治療の詳細は日本皮膚科学会が公開しているガイドラインを一読するといいと思います。
日本皮膚科学会_一般公開ガイドライン
日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版」のPDFファイルです

5.脱ステロイドをしたことを10年以上経過した今振り返ると

①脱ステをするのは慎重に考えよう

 ステロイドを止めるとものすごくアトピーが悪化して何もできなくなる。脱ステの反動は辛いので安易にやらないほうがいいと思う。まして日常生活が普通に送れているなら慎重に。

 脱ステロイド自体がアトピービジネスの1つであるという側面もあることを念頭に置いておいてください。そして年単位で人生を掛ける覚悟が必要になります。しかもよくなる保障もありません。

②仮に脱ステが成功してもアトピーは終わらない

 さらに脱ステをしてよくなっても何らかの要因によってアトピーが再燃することも当然あります。私の場合には仕事のストレスや環境によって再燃しました。

 そのため脱ステロイドをすればすべて丸く収まるかというとそうでもないと思う。そもそも辛いのでそれなりにコントロールできてるなら割に合わない感じもします。

③アトピーは環境によって悪化するし改善もする

 最初にアトピーが悪化した時も受験やアトピーのストレスがかなりあった頃でした。そして受験勉強を止めたころから症状が落ち着き始め大学に入学して2年生くらいになるころには生活が落ち着きアトピーも落ち着きました。

 環境の調整やストレスの軽減がわりとアトピーには重要。環境を調節してストレスがなくなると私の場合にはアトピーが落ち着いていきました。そうしたことからステロイドを止める前にまず自分の周りの調整が大切かもしれないと思うようになりました。

 けっこうその時の精神状態がアトピーの症状にリンクしているとおみます。花粉などのアレルギーと同様に非常に重要な悪化要因だと私は感じました。私の場合はストレスフリーだとやはりアトピーは落ち着いていますね。

④ステロイドはちゃんと付き合えば悪い薬ではない

 色々やりましたが私の場合にはアトピーと気楽に付き合える精神状態になったことでステロイドでの治療も上手くいくようになった気がします。ここまでの話はあくまで私の場合であって他の人にはそのまま当てはまらないとおみます。

 ちゃんと症状が落ち着きかゆみがなくなるということは日常生活を送る中でものすごいメリットがあります。かゆくて何もできないんじゃ本末転倒です。

 アトピーの症状や治療方針は人それぞれだと思いますので自分なりのやり方を模索するしかありません。医師としっかりと治療の方向性を相談して決めましょう。

6.今考える脱ステロイドとステロイドについて

 あまりステロイドに対して疑念を持ちすぎるのもよくないと今は考えています。薬なので当然ですがメリットとデメリットがあります。デメリットを上回るメリットが期待できれば使い続けてもいいと思います。

 ステロイドの外用薬による副作用よりもアトピーが落ち着いて生活を普通に送れることのメリットのほうが大きいと私は今は考えています。

 私は突発性難聴になったときに内服のステロイドを1ヶ月弱飲みました。それで何かアトピーに関して副作用が出たかというとなにもでていません。まあ外用薬と違って副作用があるのは確かですが内服のステロイドも様々な病気の治療薬として普通に処方されている薬です。怖がり過ぎも良くないです。

旦那さんがアトピーで脱ステロイドしたエピソードのある漫画

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