何とかして元気を出したいときにレッドブルやモンスタエナジーのようなエナジードリンクを飲むことがある方は結構多いと思います。また眠気覚ましにコーヒーなどを飲む方もいますね。これってカフェインによる興奮作用を欲しているんです。
1.知っていると思いますがエナジードリンクやコーヒーにはカフェインが入っている
多くのエナジードリンクや栄養ドリンクにはカフェインが入っています。当然レッドブルやモンスターエナジーにもカフェインが入っていますね。このカフェインによって疲れがとれたような気分になったり、元気が出てきたような気分になったり、目がさめるわけです。
カフェインはキサンチンというものの1つで、中枢神経(脳)を興奮させる効果があるためそのため元気になるような気がするんです。このカフェインには当然メリットがある一方でデメリットもあります。デメリットとしてよくあげられるものはカフェイン中毒とカフェイン依存症ですね。
それではいったいどれくらいのカフェインを取ると危険があるのでしょうか?世の中の飲み物の中にはカフェインが入っているものは沢山ありますがどれくらい飲んだら危険なのかはあまり明示されていませんね。それを参考となる文献やニュースとともに明らかにしてきましょう。
2.カフェイン過剰摂取ってどれくらいから?
カフェインの過剰摂取というとどれくらいの量を言うのでしょうか?レッドブルを何杯飲んだら危険なのかなんてどこにも書いてありませんね。そうなんです、危険なラインが不明瞭なのがカフェインが入っている飲み物のリスクを高める要因になっているんです。
そしてカフェインの摂取量の安全域については統一した見解はありません。そのため安全域を公表している機関や論文などによって多少異なります。
①栗原 久「日常生活の中におけるカフェイン摂取-作用機序と安全性評価-」による見解
健常人では、1回摂取量が200mg以内、1日摂取量が 500 mg 以内、激しい運動を行う場合はその2時間以上前にカフェイン単回摂取量が約200mg までであれば、安全性の問題は生じていない。
引用:栗原 久「日常生活の中におけるカフェイン摂取-作用機序と安全性評価-」
この論文によれば
・一回の摂取量が200mg以内
・1日500mg以内
・激しい運動の2時間以前に200mg以内
というところまでは安全という見解のようです。運動の前にコーヒーやエナジードリンクを多量に飲むとリスクが高いようです。
②FDA(アメリカ食品医薬品局)による見解
Q.What is currently considered a safe amount of daily caffeine?
A. For healthy adults FDA has cited 400 milligrams a day—that’s about four or five cups of coffee—as an amount not generally associated with dangerous, negative effects.
引用:FDA to Investigate Added Caffeine
・FDAの見解では1日に400mgまでが安全な摂取量という見解のようです。概ねコーヒーを4~5杯分のカフェインまでなら安全と考えているようですね。
③EFSA(欧州食品安全機関)による見解
Single doses of caffeine up to 200 mg (about 3 mg/kg bw for a 70-kg adult) do not give rise to safety concerns.
引用:EFSA JOURNL「Scientific Opinion on the safety of caffeine」
・体重70kgの大人なら一回に200mgの摂取なら問題ないとしているようです。体重あたり3mgまでの摂取なら安全上のリスクは増大しないという考え方でしょうか。
Habitual caffeine consumption up to 400 mg per day does not give rise to safety concerns for non-pregnant adults
引用:EFSA JOURNL「Scientific Opinion on the safety of caffeine」
・妊婦でない成人の場合には1日あたりカフェインを400mgまでの摂取なら安全所の問題は生じないという見解のようです。一般的な健康な成人であれば1日トータルで400mgまでは安全と考えているようですね。
1日に400mgのカフェインを短時間で摂取するい日に関わる?危険!?
米メリーランド(Maryland )州で19日、栄養ドリンク「モンスター・エナジー(Monster Energy)」に含まれる多量のカフェインが原因で娘(14)が死亡したとし、遺族らが製造会社を相手取って訴えを起こした。原告の代理人によると2011年12月、アナイス・フルニエ(Anais Fournier)さんは死亡するまでの24時間に700ミリリットル入りのモンスターエナジーを2本摂取しており、これに含まれるカフェインの量は480ミリグラムだったという。
引用:AFP「カフェイン過剰摂取で少女死亡、遺族が栄養飲料製造会社を提訴」
14歳の少女ですが1日で480mgのカフェインの摂取が原因となり亡くなられたというアメリカのニュースがあります。どれくらいの時間で摂取したのかがわかりませんが多量の摂取はリスクであることは間違いありません。
米南部サウスカロライナ州で健康な16歳男子が4月に高校内で急死した問題で、検死官事務所は、カフェインを大量に含む飲料を複数、一度に飲んだことが原因だと結論を発表した。
(中略)
カフェイン情報サイト「caffeineinformer.com」のデータをもとに計算すると、クライプさんは2時間以内にカフェイン470ミリグラムを摂取した可能性がある。
引用:BBC「カフェイン飲料を一気に大量に飲み過ぎた」 健康な米16歳男子死亡で検死官
短時間でのカフェインの摂取量が470mgとEFSAの掲げている体重あたり0.3mgの基準は恐らく大きく超えているものと思われます。健康な若者であってもカフェインの過剰な摂取は健康上のリスクに繋がっているのは明らかでしょう。
特にエナジードリンクは気軽に飲めるためカフェインのリスクをしっかり認識していない場合には過剰な摂取に繋がる要因になりますね。
3.意外なものに入っているカフェイン
①風邪薬
実は風邪薬にはカフェインが入っているものもあります。
例えば「新コンタック®かぜ総合」の1日量には無水カフェイン75mgが入っています。1回にすると37.5mgですね。量的には大したことはないのですが他のカフェインが入っている食品と併用すると意外とカフェインの摂取量が増える恐れもあります。
②コーラ
例えばコカコーラにどれだけカフェインが入っているかというと100mlあたり10mgです。500mlのペットボトルで飲めば50mgというところです。コーヒーや紅茶などのカフェインが含有されている飲み物を飲んだ後に飲むとけっこうなカフェインの摂取量になると思われます。
参考:「コカ・コーラ」に含まれるカフェイン量はどのくらいですか?
3.まとめ
カフェインの過剰摂取は中毒症状や最悪死亡してしまうリスクをはらんでいます。カフェインは薬にも使われているキサンチン誘導体というものの仲間なのでそうしたリスクは当然考えられます。カフェイン自体には好ましい効果があります。しかしその好ましい効果も効きすぎると身体に悪影響を及ぼします。
前述の通り1日の摂取量はFDAやEFSAの見解から400mg程度までにしておくのが安全と言えるのではないでしょうか。またあくまで1日の摂取量としてであり1度に摂取してしまうと多大なリスクがあることも過去のニュースから明らかです。
エナジードリンクやコーヒーには多くのカフェインが含有されています。また風邪薬にもカフェインが入っていたりします。そのため気が付かない間に過剰摂取になっている可能性もあるので何かを買うときには成分も見ましょう。
4.その他参考サイト
・東京都福祉保健局「コーヒーにはカフェインが含まれているので、飲むと胎児に影響があると聞きました。本当ですか?」
・食品安全委員会「食品中のカフェイン ファクトシート」
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