なぜ村田諒太の世界戦は大差判定で負けたのかを簡単に解説する

 キワドイかも?と思ったら何故か大差判定で負けになっていた。こんな大差判定負けになるとは驚いた。大差か僅差で村田の勝ちだと思ってみてました。どうして村田は判定負けになってしまったのでしょうか。残念すぎて悲しすぎます。そんなよくわからないボクシングの判定について解説します。

1.ボクシングの判定はどうやって決めるのか

①判定基準の基本はこれ
ボクシングの判定のしかたは団体によって異なるのですが概ねこの4つがあります
・有効打
・アグレッシブ(手数や攻撃性)
・ディフェンス
・主導権
の4つがどこの団体でも重要になります。この評価される項目をしっかりと満たしたボクシングが出来ているかが判定の分かれ道になります。大抵の場合には見た目と一致します。優勢に試合を進めているというは観ていると割りと明らかなことは多いですね。普通の判定では見た目通りの判定になることが多いです。

②各ラウンドごとで10対10を付けない
 昔の判定は10対10が良くあったのですが今はよりどちらが優位なラウンドだったのかを決めるようになっています。僅かな差でもより優位であったと評価した方に優位な判定を与えるようにしています。

③つまるところ手をたくさん出して沢山当てた方が勝つ
 ボクシングの判定はパンチをたくさん出してたくさん当てた方が勝つんです。ボクシングはパンチを当て合うスポーツです。なのでパンチを出して当てなければ始まらないんです。

2.それでは何故村田は判定負けとなったのか

 上記の判定の基本を踏まえてボクシングを見ると村田の試合がどうだったのかが分かります。とは言っても審判も人間なので何を優位とするのかは異なります。そのため判定が割れます。

①村田の有効打かエンダムのアグレッシブか
 今回の判定が割れたポイントは有効打を取るか、アグレッシブを取るかというところにあります。自分のイメージだとアグレッシブな方が優位な印象があります。
 ボクシングでは審判の特徴が合うかどうかも判定では大切になるんです。そして今回は判定が綺麗に二分されて判定負けとなりました。これはアグレッシブさを重視する審判の方が多かったということなのです。

 村田が何故負けてしまったのかと言えば、ぶっちゃけて村田は手数が少なすぎた。これにつきます。消極的なボクシングをしていると評価されたわけです。それがあの判定に表れています。審判のうち2人に関してはよりアグレッシブに手数を出していたエンダムを評価していたということです。

 一方で有効打は圧倒的に村田が多かったのですが有効打も圧倒的に多かったかというとそうでもありません。確かに有効打の数は多いのですがそこで圧倒はできなかったということが問題でした。村田のパンチもなんやかんやでガード越しが多かったですしね。

②主導権をどのように捉えられたか
 一見すると村田が押しているように見えましたね。前に出る村田と後ろに下がりながら手数を出すエンダムという構図が終始続いていました。ここでも前に出て入るのですが手を出さなかった村田の全身は攻撃につながっていないと評価されたのでしょう。つまり手を出しながら下がっていたエンダムに主導権があったと観られたわけです。

 基本的に主導権を握っていると評価されるにはクリーンヒットやアグレッシブで勝っていないということはありません。そのためこの主導権の評価の重要性も有効打とアグレッシブが重要になるんです。

3.村田が判定で負けた理由は一体どこにあったのか

①何故負けたのか
 これは前述したように審判の好みが村田のボクシングと合っていなかった。有効だよりもアグレッシブを重視する審判が多かったということでしょう。そしてそれは村田のボクシングは消極的だったという評価につながっています。

 村田が勝つためにはもっと手数が必要だったんです。というかジャブが必要だったと思います。攻撃が単発で終わることも多かったです。前に出ることではなくて手数で攻撃性をアピールしなくてはならなかったんです。普通はここまで手数だけを評価することはないんですけどね……。
 恐らくWBCだったら村田が順当に判定勝ちしていたのではないでしょうか。WBCの方が有効打を評価する傾向にあると思います。

 審判がどのよなボクシングを評価するのかはわかりません。そうなると判定で確実に勝つためには非の打ち所のないボクシングをしないといけないんです。少なくとも相手よりも明らかに劣ると評価される項目がないようにしないといけません。 明らかに劣っていると評価される消極性が本当によくありませんでした。

 手数を評価するという別の視点から見ると残念なことなのですが順当に判定負けをしたとも言えるんです。村田のボクシングには大きな隙きがあったためといえます。

②勝つために必要だったこと
 もし村田がガード越しだろうがエンダムと同じ手数を出していたのならば有効打に差があるので村田が文句なしに判定勝ちしたでしょう。しかし有効打は村田、手数はエンダムと割れてしまったことが判定を難しくしたんです。判定で勝つのならもう少し手数が必要だったと思います。

 そのためにはもっと1ラウンドから手を出していかなければなりませんでした。あまりにも様子見をしているので本当に不安になりました。手を出さなくてはパンチは当たりません。そしてパンチの当ててこそボクシングです。そこは村田陣営側の戦略ミスもあったのではないでしょうか

 エンダムの立場から見ると圧倒的な手数で押していたと捉えられるわけです。しかも1ラウンドからです。常に手を出し続けてボクシングをしていた。このことが勝利に結びついているんです。

 そのため村田はもっと手数を出せるボクサーとなることが勝つためには必要不可欠です。もっとアグレッシブに攻めなくてはなりませんでした。そこが村田の弱点でもあり次に勝つためには必要となることであるのは間違いありません。とは言えあの採点が出てくると予想したなら倒しに言っていたと思ういますが……。

 とここまでいいましたが私は村田の方が判定は優勢だったと思っています。エンダム有利の判定が出てきたときは度肝を抜かれました。判定で負けたことに関しては正直な所では驚いています。ぶっちゃけ疑惑の判定です。当たっていないジャブを評価しすぎてエンターテイメントとしてのボクシングをないがしろにする判定です。僅差ならまだわからんでもないのですが……。終わってしまったことはしかたがないですね。

 次のチャンスがいつ巡ってくるのかはわかりません。しかし何とか世界タイトルを掴んでほしいです!それまで自分は応援し続けます。ゾウシミンという金メダリストボクサーは世界初挑戦で負けました。メダリストだって負けるときには負けるんです。しかしその後世界チャンピオンになりました。村田の再起に期待をしたいです。

 
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