NHKの朝ドラ「ひよっこ」の時代背景とは

 NHKの新しい朝ドラ「ひよっこ」は1964年の東京オリンピックが迫っている頃の時代から始まるようです。1960年台の日本は一体どのような感じだったのでしょうか。時代背景を知ってからドラマを見てみるのも良いかもしれません。

1.1964年の景気はどうだったの?

 1964年頃というとオリンピックですね。世間ではオリンピック景気と言って景気拡大局面にありました。東海道新幹線や首都高速道路と言った日本の主要なインフラが完成していった時期であります。そしてオリンピックが終わった1964年後半1965年の10月に渡ってから証券不況という景気の後退局面が訪れるのです。
 1960年台の主要な経済対策として有名なのが1960年に策定された池田内閣の「所得倍増計画」です。1964年の名目経済成長率が17.6%だったので本当に所得が10年で倍増する勢いで景気が拡大して行きました。
 丁度この1960年台に開発が進められてきたのがニュータウン計画です。「平成狸合戦ぽんぽこ」で有名な多摩ニュータウンの計画ができたのが1964年だそうです。

2.当時の人の所得はどれくらいだった?

 1964年の日本の名目GDPは29兆4300億円でした。現在が537兆円となっています。60年台の規模の小ささがわかると思います。まだまだ成長局面で毎年二桁の成長をしていたので一昔前の中国と同じような状況であったと考えられますね。一人あたりGDPは30万5千円でした。現在の1/10もないような経済規模です。まだまだ日本は今と比べれば貧しかったのです。しかし毎年10%程度だけ所得が伸びていたので今と比べると貧しいのですが将来は豊かに慣れるという希望を持てた時代ではないでしょうか。

4.景気拡大時の闇も拡大した1960年台

四日市喘息が1960年、第二水俣病が1965年にありました。景気拡大の歪はそれ以前から出ていたのですが1960年代も引き続き景気の拡大が優先され、環境面や健康面を考えられていなかったと考えられます。こうした公害の問題が噴出していた時代でもあります。何せ4大公害のうちの2つがあるのですから。

5.当時の日本はどうだったのか

①youtubeで当時の映像を探してみました。
A day in Tokyo, Japan, in 1963 東京

②藤子不二雄の2人とも関係が深い
 藤子不二雄のおばけのQ太郎が大ヒットしたのが1964年だそうです。なかなかイメージは湧きませんがそうした作品が登場してきているようです。そしてドラえもんの連載が開始したのが1969年なのでドラえもんの1巻の世界が1960年台後半であると考えられますね。

③変わっていく家電製品
 実はもう三種の神器の時代はとっくに迎えています。次には新三種の神器の時代になるのです。カラーテレビ、クーラー、車が新三種の神器になります。そう言えばテレビをカラーテレビに買い換える話もドラえもんにありましたね。

6.その他

 「ひよっこ」と比べられる作品といえば「ALWAYS 三丁目の夕日」ではないでしょうか?同じようなノスタルジーモノかなと言う感じです。しかし1作目の時代考証を見てみると「ひよっこ」よりも前の時代のものです。「ALWAYS 三丁目の夕日」の時代は1958年なのでちょっとだけ前の時代を描いた作品のようですね。「ALWAYS 三丁目の夕日’64」という3作目が丁度同じ時代のものとなります。私としては3作目の印象があまりないのですが……。NHKの朝ドラは時代が進んでいくので「ALWAYS 三丁目の夕日」よりもより後の時代を映画いていくもので間違いないでしょう。
 1970年代に進んでいくといざなぎ景気、狂乱物価、オイルショックと波乱の時代もこれから幕開けていくのでしょう。

参考
1.長期経済統計 http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je08/08b09010.html
2.国民経済計算(GDP統計) http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html
3.所得倍増計画 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%80%E5%BE%97%E5%80%8D%E5%A2%97%E8%A8%88%E7%94%BB
4.新・三種の神器とは https://kotobank.jp/word/%E6%96%B0%E3%83%BB%E4%B8%89%E7%A8%AE%E3%81%AE%E7%A5%9E%E5%99%A8-186515

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