男性も乳がんになるんです。乳がんは女性の病気というイメージはありますが一定の割合で男性の患者さんもいます。いったい男性で乳癌になる人はどれくらいいるのでしょうか、また男性の乳癌は女性と比べて何が違うのでしょうか。
1.どれくらいの男性が乳がんになるのか
男性の乳がん罹患率は女性が乳癌になる割合の1%未満です。総数から考えると僅かとも言えますが一定数の男性が乳がんになって言えるとも言えるんです。1%未満とは言っても男性でも乳癌は結構発症しているとも言えともいえます。
2016年のがん統計予測によると2016年には9万人の乳癌の患者が出ると予想されています。ちなみにこの女性の9万人というのは部位別では最多で、女性で1番多いがんは乳癌です。ニュースで芸能人が乳がんになったとよく聞くのはこのためでしょう。マンモには本当に言ったほうがいいです。
さて、ざっくりと90000人の1%だと考えると900人の新しく乳がんを発症するということになります。実際は1%未満なのでもう少し少ないかもしれませんが。同じく2016年のがん統計予測よると男性のがん患者の総数は576,100人なので全がん患者の1%にも満たない患者数なので稀と言えば稀です。しかし確実に一定の方がなっているのでなる可能性は有るということです。
前立腺がん・胃がん・肺がんなどは毎年90000人もの新たに罹患する方がいるので、そうした多くの方が罹る可能性のあるガンと比べれば男性の乳がんの患者は少ないと言えるでしょう。
2.どのような男が乳がんになりやすいか
男性の乳がんはどのような人がなりやすいと考えられているのでしょうか。男性乳がんにも罹患しやすくなる因子はあります。どういった因子があるでしょうか。
①家族歴が関係する
男性の乳癌も女性と同様に家族が乳がんになっている場合にリスクが高くなるようです。親戚や家族がなっている場合になりやすい傾向にあります。(家族歴が関係する)。そのため男性の乳癌には遺伝的要素があると考えられ、男性乳がん患者の15~20%には家族歴があるようです。
遺伝的な要素として、BRCA1遺伝子とBRCA2遺伝子の変異が要因の1つです。またこれらの遺伝子に変異がある場合には前立腺がんになる可能性も高まるようですね。
②女性よりも歳を取ってからなる
女性の乳がん場合には30代から増加し始め40代後半から50代前半でピークになります。一方で男性の乳癌の多発年齢は60歳程度になってからなる方が多いようです。しかしすべての年齢で乳癌が発症するリスクはある。
③胸部の放射線治療が関係する
放射線が影響を及ぼす場合があるようです。
3.男性の乳がんは予後が悪い?
昔は男性の乳癌は悪くなりやすいと考えられていましたが、今は女性と悪性度は変わらないとされています。つまり乳がんによる予後は男女で差があるわけではないということです。しっかりと治療をすれば男性も女性も乳がんによるリスクは変わらないということですね。
以前は男性の乳がんの予後が悪いと考えられていたのですが、その要因として男性は乳がんにならないと思い込んでいるため、しこりを放置するなどして発見が遅れることがあることが要因としてあるのではないかと言われています。
3.最後に
男性でも胸にしこりがある場合には乳がんの恐れはあります。乳がんは女性だけの病気ではありません。しこりがある場合には受診をしましょう。女性化乳房の可能性もあると考えられるので異常があったら受診して間違いはないでしょう。
参考サイト
・乳癌診療ガイドライン 男性乳癌に対して薬物療法は勧められるか
・がん情報サイト 男性の乳がんの治療(PDQ®)
・2016年のがん統計予測
・日経メディカル 「女性乳癌のリスク因子BRCA遺伝子変異は男性の乳癌発症にも関与」
・国立がん研究センター 乳がん
・nyugan.info