実は食物繊維をしっかりと取れている人は案外少ないです。食物繊維を含む食品を食べることで腸内環境を改善することや便通をよくする効果が期待できます。つまり食物繊維の摂取不足は便秘の原因の1つとなっている可能性があるのです。
1.食物繊維には2つの種類がある
食物繊維には2つ種類があります。それは「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」というものです。まずこの2つの食物繊維の違いと摂取することで得られる効果について解説します。
①水溶性食物繊維とは
水に溶けるタイプの食物繊維です。排便を促す効果や水に溶けることでゲル状になり便のコレステロールや胆汁酸などを吸着するようです。そのため、水溶性食物繊維にはコレステロールを下げる効果や、食後の血糖値の急激な上昇を抑える効果が期待できるようです。野菜を先に食べることで血糖値の上昇を抑えるベジファーストはこの効果によるものなのでしょう。
・含まれる食品群:穀物(大麦、オートミールなど)、野菜(ゴボウ、オクラなど)、果物(ばなな、リンゴ、アボカドなど)、豆類、納豆
②不溶性食物繊維とは
水に溶けないタイプの食物繊維です。水分を吸収することで便の体積を増やすことに役立っています。便の容量が増えることで腸を刺激し蠕動運動を活発にすることで排便を促す効果が期待できる。便の容量が足りていないタイプの弛緩性便秘の方は不溶性の食物繊維を摂るとより効果が期待できる可能性があります。
・含まれる食品群:豆類、芋類、きのこ類、アーモンド、納豆
※含まれる食品群は食品栄養データベース参考にしています
2.1日に必要な食物繊維の量はどれくらい?
1日に必要な食物繊維の量は意外と多いです。そのため必要量を摂取できている方のほうが少ないのではないです。便秘の方は便秘解消へ向けた食生活を見直すためのヒントとなるかもしれません。
一日の食物繊維の目標量は成人の男性で20g、女性で18gです
※日本人の食事摂取基準(2015 年版)
年代別食物繊維の摂取量
20歳以上 | 14.8g |
20代 | 12.1g |
30代 | 12.5g |
40代 | 13.1g |
※国民健康・栄養調査-主な健康指標の経年変化-栄養摂取状況調査(2014年) による
全体値を見ると15g程度の摂取ができているのですが実のところこれは60台以上の食物繊維の摂取量が多いからなのです。表から読み取れるように20代~40代まで1日当たり概ね12gしか摂取できていません。1日の目標量の女性18g、男性20gと比べると大幅に少ないことがわかります。
女性では6g、男性では8gも目標値より不足しているということです。
もしかしたら便秘に悩んでいる人の原因は食物繊維の摂取不足にある可能性があります。ちなみに私が結構好きな野菜ジュースである「カゴメ 緑黄色野菜の飲むサラダ」に入っている食物繊維の量が1.8gです。思ったよりはいています。野菜ジュースはだけでは食物繊維の効果的な摂取には結びついていない可能性があることを覚えておいてください。そのため食物繊維を付加した野菜ジュースもありますね。
不足しているであろう6gを摂るのが結構大変なのがわかりますね。
「1日3本も飲めやん……。」
3.不足した食物繊維を補うには
どうやら野菜ジュースでの食物繊維補給はないよりはましだけれども、1日の目標量の不足をを満たすにはちょっと足りないようです。個人的にお勧めなのがアーモンドです。健康に良いとされる不飽和脂肪酸が豊富なアーモンドは100キロカロリーあたりで1.8g入っています。小腹が空いたときの味方です。
朝に果物、お昼にサラダを1品追加するなどすることで不足を少しでも少なくできるようにするといいかもしれません。海藻や果物、野菜などをバランスよく食べていくことで食物繊維をとっていくのが最もいいですね。
豆類は水溶性と不溶性食物繊維の双方が豊富なので納豆を食事に足すのも効果的であると言えます。納豆40gで2.7g※相当の食物繊維を含んでいます。
※食品栄養データベース「糸引き納豆」参照
あとはサプリメントなどを用いて意図的に摂取していくのも賢い方法かもしれません。
4.食物繊維はプレバイオティクスとして腸内の環境を整える
食物繊維はプロバイオティクス(腸内細菌)を助けるプレバイオティクスとしての役割があります。食物繊維には前述したように吸水性による便の量を増やしたり、便の粘度をあげたりという便へのいい影響があります。しかしそれだけではなく、腸内の細菌のエサになるという大切な役割も持っています。
プロバイオティクスである善玉菌にも餌が必要です。その餌の1つが食物繊維なのです。善玉菌がより活発に働くためには食物繊維などで栄養を与えることも大切になるのです。善玉菌とよりよい関係を築くためにも野菜などを食べ、食物繊維を腸へ送ることが大切になるのです。そうすることで腸内フローラを整えることにつながり更に便秘の予防や改善につながります。
4.まとめ
若い世代は食物繊維の摂取量が目標値と比べるとだいぶ少ないことがわかりました。食物繊維は腸の調子を整え便秘の予防や改善に役立ちます。食生活の改善として野菜や豆類などの積極的に食べることが不足した食物繊維の接種を補うには効率的だと思います。また野菜ジュースやサプリメントなどの活用も不足を補う手段としては有用であると言えます。
こうした食物繊維の摂取量の不足は便秘を引き起こす原因となっている可能性があります。一度食生活を見直して、どの程度野菜がとれているのかを考えてみることも大切かもしれません。
積極的に食物繊維を摂っておなかに優しい生活を送りましょう!
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